2年連続優勝を狙う仙台育英が仙台一に13安打を浴びせ8-3と快勝し、4回戦に駒を進めた。初回表無死満塁で4番小濃(おのう)塁外野手(2年)が一ゴロに倒れるも、その間に菊地太志内野手(3年)が生還し先制。続く小関遥翔内野手(3年)、田中星流投手(3年)の連打で、いきなり4点を奪った。

 評判のサウスポー鈴木健(3年)を、あっさり打ち崩した。先頭の菊地が鋭いスイングを繰り返した末に、四球を選ぶ。須江航監督(35)は「相手のエースが良い投手だと聞いていたので、1点差のゲームを想定し準備してきた。だが初回で長打が出た。打撃の中心選手である1番バッター菊地が鈴木君との対戦を制し、その流れで選手たちがよく長打を打ってくれた」と一挙4得点のビッグイニングを振り返った。

 “打てる投手”をテーマに練習を重ねてきたエース田中も初回から適時三塁打で貢献。「まっすぐ高めをフルスイングした」と、チームを勢いを与える。投げては最速143キロの直球とカットボールの調子が上がらない中で、5回6安打1失点とゲームメーク。「今日は調子が良くなかったけど、打たせて取る組み立てで対応できた」と胸を張った。

 中盤に追い上げられても流れは渡さなかった。6回裏から救援した大栄陽斗投手(2年)が7回までに2失点。だが、8回1死二、三塁で中前適時打を放ち、不穏な空気を断ち切った。投球でも持ち直し、8回以降は無安打無失点に抑え切った。チームは気仙沼向洋との初戦でも、たった2球で先制し8-1の7回コールド勝ち。2戦連続で初回から攻撃が活性化している。ブランクを感じさせない、したたかな試合運び。ノーシードからの甲子園へ、確実に歩を進めている。