8強が出そろった。静岡商は6-3で昨夏準優勝の日大三島を破り、3年ぶりの進出を決めた。エース古屋悠翔(3年)は、右ふとももをけいれんさせながら、最後まで投げきり、チームを勝利に導いた。

 3点リードの9回裏2死一塁。静岡商の古屋は、残る体力を使い切って腕を振った。投じた153球目は直球。気迫で遊飛に打ち取ると、大声を上げ、目を潤ませた。「勝った瞬間はうれしくて、気持ちが出ちゃいました。9回は四球を出さずに打たせて取る意識で投げました。仲間のおかげで勝てたと思います」。

 感極まる理由があった。1回裏に、初球のスライダーを二塁打にされた。その後も2安打を浴びて2失点。3回戦まで21イニング連続無失点だったが、藤枝明誠、東海大静岡翔洋を倒した日大三島打線は手ごわく、「今までの相手とレベルが違う」と痛感した。同時に完投の意識を捨て、直球主体の投球に変更。その分、体力を消耗していた。

 そして、7回裏の投球練習中に、右太ももがけいれんした。6分間の治療後、マウンドに戻ると、再び攻めの投球を続けた。「治療後は痛みはなかったです。信頼できる投手陣がいるので、思い切り投げられました」。前日に高校デビューした1年左腕の高田琢登らリリーフ陣を信じて、目の前の打者に集中した。

 激戦区を勝ち抜き、次は常葉大菊川と対する。昨秋の県大会で0-7で敗れているが、古屋は言い切った。「投打の軸がしっかりしていて、簡単な相手ではありませんが、絶対に勝ちます」。聖地まであと3勝。ここで止まるわけにはいかない。【大野祥一】