全国高校野球選手権静岡大会決勝が今日27日午後1時、静岡市の草薙球場で行われる。78年ぶりの夏の甲子園出場を目指す島田商は、チームトップの打率5割8分3厘を誇る1番菊地涼内野手(3年)が、突破口を切り開く。

 準決勝掛川西戦の大勝から一夜明けた26日、島田商ナインは午前8時30分から約3時間、適度な緊張感の下、キャッチボール、フリー打撃、ダッシュなどで汗を流した。

 ムードメーカーでもある1番菊地は、リラックスした表情で意気込みを語った。「自分が出ればチームも乗れる。クリーンアップを信じて、やるべきことをやるだけです」。相手は常葉大菊川。菊地は「強力打線に目がいきがちですが、守備も走塁もいいし、好投手もそろう手ごわい相手」と警戒を強める。この日は、相手先発を右腕の漢人友也投手(3年)と想定し、右投げの打撃投手2人と、右の変化球に設定したマシンを3メートルほど前に出して打ち込んだ。菊地は「自分はピッチャーが誰でも気にしないタイプ。いつものように、来た球を反応で打つだけです」と話した。

 77年ぶりの決勝進出に、地元も協力態勢だ。就職希望の生徒も多い同校。今日27日は、地元企業で会社見学の予定があったが、応援に行きたい一般生徒のことを考慮し、企業側から日程変更の申し入れがあったという。「本当にありがたいです。地域の人たちを喜ばせたいです」と池田新之介監督(41)。決勝はもちろん全校応援。学校、OB、地域。すべての期待も力に変え、聖地への切符をつかみ取る。【鈴木正章】