日南学園(宮崎)が、僅差のゲームを制し、初戦突破を決めた。

 先制の口火は、3回、先頭の奥野竜也外野手(3年)から。「落ちたところが良かった」とレフト線にうまく運ぶ二塁打を放つ。この後、犠打で3塁に進んだ奥野は、中原の適時打で先制のホームを踏んだ。チームはその後、8回にも1点を追加し、このリードを先発の辰己凌晟(りょうせい)投手(3年)が完封で守りきった。

 今大会、チーム初得点のホームを踏んだ奥野の母は、県大会前から、乳がんのため入院している。宮崎大会の優勝翌日「甲子園でも暴れてくる」と母に誓ってきた奥野が、甲子園初戦で活躍した。「母も病気と闘っているので、自分も負けじと闘っていきたい。帰って良い報告をしたいです」。決意の奥野は、まっすぐ見つめて答えた。