大阪桐蔭(北大阪)のエース柿木蓮投手(3年)が、昨夏の悪夢を払拭(ふっしょく)し、チームを8強に導いた。1点リードの6回から登板。「6回は力を入れてリズムを作って、7回以降はコントロールを意識して、丁寧に」投球し、4回を無失点に抑えた。

 2点リードで迎えた9回には先頭に安打を浴び、走者を背負った。スタンドが異様な雰囲気に包まれ「去年を思い出した。似ているなと。去年はこういう雰囲気の中で試合をやって負けた。今年はこういう雰囲気の中でも、自分たちの野球をやろうと思った」と冷静な投球で後続を断った。

 柿木は昨夏の3回戦(対仙台育英)、1点リードで迎えた9回に痛恨のサヨナラ打を浴び、チームも史上初の2度目の春夏連覇を逃した。「あの負けから始まった。(試合終了の瞬間は)『よしっ、次につながった』と。ホッとした」と息をついた。