<全国高校野球選手権:近江9-4常葉大菊川>◇17日◇3回戦

 速球は130キロ超えがやっと。110キロ台のチェンジアップが効いた。近江(滋賀)の左腕、林優樹(2年)が三振の山を築いた。8回を投げて奪三振11。「変化球のキレ、曲がりがよかった。1回、1回を投げ切るつもりで、気付いたら8回でした」。自己最長の5イニングを大きく超えた。

 打者27人に対し、初球の見逃しストライクが12を数えた。3回は3者すべてにカウント1-2とし、4球目で3者三振に仕留めた。「1-2にする練習はしています。1イニング3球がベストですが」と話した。

 滋賀対静岡、そこに三振とくれば、50回大会(1968年)を思い出す。両者の初対決で、静岡商の1年生左腕、新浦寿夫が伊香から15三振を奪い、2安打完封した。7回1死まで無安打投球だった。

 林も5回終了まで安打を許さなかった。「9回投げれば2回はピンチが来ると監督にいわれています。意識しませんでした」。林が50年前のお返しをして、滋賀が静岡に4勝3敗(春夏合計)と勝ち越した。【米谷輝昭】