盛岡大付(岩手1位)と八戸学院光星(青森1位)が決勝進出を決め、来春のセンバツ出場を確実にした。盛岡大付は公立の古川(宮城2位)を10-0の6回コールドで圧倒し、2年ぶりの決勝進出。八戸学院光星は花巻東(岩手2位)を7-3で振り切り、3年ぶりの決勝を決めた。明治神宮大会(11月9日開幕)出場が懸かる今日18日の決勝は、東北福祉大OB監督同士の決戦となり、盛岡大付が勝てば初、八戸学院光星が勝てば5度目の優勝となる。

盛岡大付の「朗希を撃破した男」が、2年ぶりのセンバツ切符をたぐり寄せた。初回1死満塁。5番平賀佑東外野手(2年)が外角高めに浮いたチェンジアップを捉え、左中間を切り裂いた。「逆方向に強い打球を打とうと意識していた。勢いはついたと思う」。走者一掃の先制三塁打に2本の犠飛を加え、公式戦初の5打点。県準決勝で大船渡の最速157キロ右腕・佐々木朗希(2年)に長打3本を浴びせた男が、初回で一気に試合を決めた。

あくまで通過点だった。試合後は決勝進出を決めた喜び以上に、チーム初優勝への思いが口をついた。平賀は「自分らは神宮で勝つためにやってきた。あと1つ勝って、神宮を決めたい」と宣言。チームが神宮大会初出場を目標に、ぶれないのには理由があった。平賀の世代は同校初の野球部クラス1期生。同期38人のみで授業を受け、入学当初から「神宮大会に初出場してセンバツへ」を目標に掲げてきた。平賀は「常にみんなと一緒なので、性格、人間性も分かる」と、チームのまとまりを強調する。

両方味わった喜びと悔しさを糧にする。平賀が1年の夏は、植田拓(現バイタルネット)と比嘉賢伸(現巨人育成)の2枚看板を擁して甲子園8強入りをスタンドで見届けた。一転、1学年上の世代は秋春と東北大会に出場できず、今夏の決勝は花巻東に逆転負けした。「2個上は弱さを見せない強いチームだった。1個上は夏の決勝で負けたけど、粘りを見せてもらった。その先輩たちの分まで甲子園に行きたい」。神宮大会初出場をステップに、俺たちが新たな「黄金世代」になる。【高橋洋平】