創立122年目の伝統校が初の甲子園に1歩近づいた。宮城県高野連は7日、選抜高校野球大会(来年3月23日開幕、甲子園)の21世紀枠推薦校に、古川を初選出した。今秋は県準Vで57年ぶりの東北大会出場。進学校として文武両道を貫き、平日は2時間程度の練習時間ながら、東北大会2勝で4強入りした。また、15年9月の豪雨で近隣の渋井川が決壊した際にはいち早く後片付けに駆けつけ、東日本大震災の被災地である塩釜市・野々島での復興支援に毎年参加するなど、ボランティア活動を実践していることも推薦理由に挙がった。

公立勢で東北最上位まで勝ち進むなど、新チーム以降の実績では文句なし。ナインも茂泉公己監督(44)から県推薦決定の報告を淡々と受け止めた。この日は昼休みに3年生への「お別れ会」が行われ、記念品を贈呈した際に「夏は実力で甲子園に出場します」と誓ったばかり。4番エースの千坂優斗投手(2年)は「春はあくまでも通過点ですが、いざ出たときに慌てないようにしたい。夏に向けての最善の準備ができれば」と励みにした。

OBからはセンバツ出場を願う声が日増しに高まっており、支援の申し出も届いている。だからこそ茂泉監督は、気の抜けた前日の練習態度を叱責(しっせき)した。「毎日、いつ(甲子園に)行ってもいい練習を積み重ねなければ、当日慌てて終わるぞ」と戒めた。21世紀枠は東北を含む全9地区の候補校が12月14日に発表され、来年1月25日の選考委員会で出場3校が決定する。【中島正好】