昨秋の近畿大会覇者でセンバツ出場の龍谷大平安(京都)は練習試合が解禁となった8日、沖縄遠征で沖縄水産と2試合を行った。ヤクルト奥村の弟、真大(まさひろ)内野手(1年)がともに5番三塁でフル出場し、通算7打数5安打2打点と順調な仕上がりを見せた。

「フルスイングを心がけた」と1試合目からエンジン全開だ。2回1死の初打席でいきなり右越え二塁打。三塁を狙いアウトになったが初の対外試合に全力でぶつかった。その後も2安打と1四球で全打席出塁と勢いは止まらない。2試合目も1回2死二塁の中前適時打から2打席連続安打と気を吐き、「センバツの目標は率を残しチーム打点王。無失策でも貢献したい」と声を弾ませた。

遠征前の紅白戦6試合は打率は1割台も、原田英彦監督(58)や水谷祥平主将(2年)にアドバイスを受けた。「いろいろ考え過ぎていたので考えずに来た球を打とうと。打ちたい気持ちが強かったが初心に戻り力が抜けている」。迷いが消え、素直にバットを振れた。

今年1月、不整脈を改善する心臓のカテーテル手術を受けた。精神面でも安定し「動きやすい。気持ちが楽になって野球に集中できるようになった」。王手をかける京都勢の甲子園春夏通算200勝への期待も高まるが「記録への意識はないが日本一が目標。沖縄で徹底して鍛えたい」と静かに闘志を燃やした。試合は1試合目が4-2で龍谷大平安、2試合目は7-6で沖縄水産が勝利した。【菊川光一】

◆奥村真大(おくむら・まさひろ)2002年(平14)6月18日、滋賀県生まれ。野球は小学生の頃に三雲東スポーツ少年団で始める。中学では草津シニアで関西選抜、滋賀選抜を経験。龍谷大平安では昨夏京都大会からベンチ入り。本塁打は昨秋近畿大会で放った1本。50メートル6秒4。遠投100メートル。180センチ、70キロ。右投げ右打ち。血液型A。

○…龍谷大平安は4番水谷が高校通算14本塁打のパンチ力を見せた。2試合目の1回1死二、三塁で先制の中犠飛。3回には1死一塁で右中間適時三塁打を放った。だが試合は逆転負けし1勝1敗。「失策が出ると負ける悪い流れがある。どんな流れでも負けないようにしないと」と反省しきりだった。

○…沖縄水産は昨秋の沖縄大会準決勝、沖縄尚学戦でノーヒットノーランを記録したエース国吉吹(いぶき)投手(2年)が、けがの影響で龍谷大平安戦の登板を回避した。1週前に体育の授業でバスケットボールをした際に右手中指を突き指。最速142キロ右腕は「力を試すため投げたかった」と残念がった。この日はノースローで調整した。