盛岡大付(岩手)は上げ潮ムードで甲子園に乗り込む。17年夏4強の天理(奈良)に6-5でサヨナラ勝ち。欲しかった勝利で最後の練習試合を打ち上げた。

9回に2点リードを追い付かれた同裏2死走者なし。引き分けでは心のモヤモヤが晴れないことを、佐々木俊輔内野手(3年)は分かっていた。「流れを変えるのは長打、飛ぶのは変化球」と1発狙いのツボがはまり、右越えサヨナラ弾に仕留めた。17日の九州国際大付(福岡)から、おかやま山陽、智弁学園(奈良)と主力組対決で3連敗。負け続きではチームの士気にも関わるため、関口清治監督(41)は4投手の継投予定を崩し、4回から調子のいい木内優成(3年)を最後まで続投させた。「緊張感の中でやれて良かった」とホッとした表情だった。

奮い立ったのは、結果が欲しい投打の2人だった。エース阿部秀俊(3年)は先発して3回を1安打1失点。直近2試合を12回19失点と打ち込まれていたが、「(ボールが)指に掛かるイメージができた。しっかり甲子園に乗り込んでいけそうです」と開花宣言。スランプ気味で8番に下がった主将の及川温大内野手(3年)も2回1死満塁の第1打席で、中越えの逆転2点二塁打を放ち、「公式戦のつもりでやった。自分の結果より、勝てて良かった」と喜んだ。

昨秋の奈良王者を2発10安打で撃破し、6回2死一、三塁では重盗を試して追加点を奪った。不安要素を消し、関口監督は「奮い立たせながらも冷静に。落ち着いて試合に臨めるように、導きたい」と25日の本番で、甲子園10勝目のタクトを振る。【中島正好】