<高校野球春季関東大会:東海大相模4-3木更津総合>◇18日◇1回戦◇大宮公園

東海大相模(神奈川1位)の遠藤成(じょう)内野手(3年)が投打二刀流の活躍で勝利に導いた。先発し7回2/3で5安打1失点。打っては貴重な適時打で粘る木更津総合(千葉3位)を突き放した。

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遠藤は朝、先発を告げられると「いよいよ来た」と気持ちを入れ直した。「今の目標は関東大会優勝。そこで投げられるのは誇り。勝つピッチングをする」。普段は内野手で、昨春の関東大会以来の公式戦登板。最速143キロながらキレの良い真っすぐに、変化球を交えた。「コースに投げて、チームに勢いをつけるためにテンポ良く投げられた」と胸を張った。

高校通算40本塁打を誇るが、チーム打撃に徹した。8回に1点を勝ち越し、なお2死二塁。フォークを捉え、中前適時打で自ら追加点をたたき出した。「コンパクトにセンターを意識した。(投手、野手)どっちもやりたいと思っているので」と笑顔。目標とする大谷翔平(エンゼルス)の代名詞「二刀流」で勝利に導いた。

父成人さんは、昨夏甲子園で準優勝した金足農野球部出身。小さいころから父に野球を教わってきた。名前の「成」は父の名前から1字を取り「成し遂げる」という思いが込められている。遠藤の願いは甲子園優勝。そのために強豪東海大相模を選んだ。2年春のセンバツでは初戦の聖光学院戦で救援し、1/3回を無失点に抑えるも敗戦。最後の夏に思いは募る。「甲子園で優勝するために今がある」。遠藤はしっかり前を見つめた。【保坂淑子】