開催県4校の最後のとりでだった富山第一は、敗れて悔いなしだった。

黒田学監督(38)は試合のポイントに初回の攻撃を挙げた。無死一、二塁から3番の村(むら)優作外野手(3年)が投ゴロ併殺に倒れ、先制機を逸した。「星稜さんの技術ですよね。フリーに打ってくる打者に対して、引っかけさせて内野ゴロ。いい勉強をさせていただきました」と力負けを認めた。

県2位で出場した今大会は初戦で三条(新潟)に5-1、準々決勝で福井工大福井に5-2とともに完勝。エース左腕の浜田陸(3年)が2試合とも完投勝利を挙げた。大車輪のエースはこの日は休養。村藤(むらとう)裕輝投手(3年)が先発し、7回と8回は1年生の嶋崎陽太投手が無失点に抑えた。将来性が高い左腕嶋崎は、新戦力として大きな経験を積んだ。

前の週には東海大相模(神奈川)と練習試合で2-3の接戦を演じた。「相模さんと、北信越でも3試合をやらせていただいた。練習試合の何十試合分もの価値がある。これから苦しい2カ月が始まる。勝ちきれる執念を持ってほしい」。手応えを持って、3年ぶりの夏の甲子園を目指す。