敦賀気比が15年秋以来の決勝進出を決めた。初回に4安打を集中して3点先取。3回にも3得点で突き放し、日本文理の終盤の追い上げを封じた。

今大会「1番中堅」で起用されている1年生が打線に火をつけた。大島正樹外野手は初回先頭でいきなり三塁打。ここからつながった。大島は8回にも右中間に会心の打球を飛ばし、三塁打とした。東哲平監督(37)は「とにかく思い切りがいい。起爆剤になってほしかった。このまま思い切りを忘れずやってほしい」と起用の意図を明かし、夏の戦力として高い期待を寄せた。

4番の木下元秀外野手(3年)は二塁打、三塁打、右前打と飛ばして好調を維持した。大会前は不調だったが仲間から「4番なんだから思い切って打て」と励まされて、スランプ脱出したという。

昨夏はエースで甲子園のマウンドを踏んでいる。左肘を痛めてこの春は野手に専念していたが、前日の試合で久しぶりに公式戦登板を果たした。「エースで4番になりたい。1番をつけて甲子園に戻りたい気持ちが大きいです」。

4日の決勝戦では星稜(石川)と対戦する。相手エース奥川恭伸投手(3年)とは対戦経験がない。3月の練習試合も雨で流れ、残念な思いをした。決勝では木下自身の登板機会もありそう。「(奥川が)すごい選手なのは分かっている。挑戦者の気持ちで、自分たちの力を全部出したい。あれほどの投手はいないので、自分の実力を試すというか、夏に向けて貴重な試合になる」と、投打での対戦を楽しみにしていた。