星稜(石川)が逆転で北信越の頂点に立った。春の北信越は4年連続V。昨春から3連覇を達成した。

ドラフト1位候補の奥川恭伸投手(3年)が7安打1失点で完投した。中2日での登板。4回には相手の4番、木下元秀外野手(3年)に左中間を割られる三塁打で1点先制を許した。

打線は敦賀気比のスリークオーター右腕、笠島尚樹投手(2年)の切れ味鋭いスライダーに苦しめられたが、7回にようやく反撃した。先頭の奥川の左前打が合図になった。無死満塁とすると、2番の有松和輝外野手(3年)が左翼越えに走者一掃の二塁打で3-1とした。左翼木下がグラブに当てたがつかむことはできなかった。

奥川は8回に1死一、二塁のピンチだったが3番杉田翔太郎内野手(3年)を148キロで空振り、続く木下もこの日最速150キロを2回出す気迫で、最後はスライダーを振らせた。右手で力強いガッツポーズも繰り出した。

奥川はセンバツ後の4月に右肩の軽い張りを訴え、投球を控えていた。投球再開は5月下旬。約2カ月ぶりの公式戦となった1日の北信越大会1回戦では砺波工(富山)相手に6回無失点と好投し、150キロもマークしていた。

星稜はセンバツ2回戦の習志野(千葉)戦で林和成監督(43)が相手がサイン盗みをしていると指摘。試合後には直接相手監督のもとに抗議に行き、問題視された。4月上旬に学校側から指導禁止処分を課され、春の大会は山下智将部長(37)が代行で監督登録している。監督の謹慎期間は北信越大会を持って終了する。星稜は監督不在の2カ月間を最高の形で締めた。