盛岡大付は終始、主導権を渡すことなく日大東北を5-1で破った。先発の木内優成投手(3年)が5回1失点と好投し、3投手の継投で逃げきった。打線では東北大会デビューとなった松本龍哉内野手(1年)が躍動した。

初打席は初回にやってきた。名刺代わりとばかりに右前に安打を放ち「緊張せず、大きい球場で試合ができて楽しかった」と強心臓ぶりを発揮した。直後の3回には、右越え適時三塁打で初打点を記録。「初球からどんどん振ろう」という意識でスライダーを捉えた。持ち味はフルスイング。「長打をたくさん打ち、チームに貢献したい」と、1年生ながら地区大会から出場を続けている。

小1からソフトボール、中1から野球を始めた。郡山ボーイズ(福島)時代の昨夏、日本代表として少年野球世界大会に出場し、打率5割で準優勝に貢献した。中学時は30本塁打を量産し、高校進学時には健大高崎(群馬)や慶応(神奈川)など強豪10校から誘われたが、打撃に磨きをかけるため盛岡大付に決めた。「先輩が面白く優しい」と充実の日々を送っている。

視線は夏に向いている。甲子園切符をかけ、最速163キロ大船渡・佐々木朗希投手との対戦を熱望した。日ごろから150キロの打撃マシンで練習、投手と打者の距離が近いソフトボールの経験から、速球は得意だ。「甲子園で上位を目指す」と、世界を経験したスーパールーキーは自信にあふれていた。【山田愛斗】