東日本国際大昌平(福島1位)の元4番が奮起し、8強一番乗りを決めた。2-1で迎えた8回裏、1死満塁から「6番左翼」佐藤凱外野手(3年)が走者一掃の右中間適時三塁打。最後は近藤海斗外野手(3年)の適時打で一挙6点を奪い、能代(秋田2位)に8-1と8回コールド勝ちした。佐藤は「春の最初に4番だったころは重圧があった。6番は気楽に打てる」と笑顔を見せた。

自身は初の大舞台で、緊張で空回りしていた。第1打席で好機に見逃し三振。2打席目は送りバントを二塁封殺されて失敗。高めの変化球を運んだ最後の打席も「正直、どうやって打ったらいいのか分からない感じで、何も考えられていなかったです」。名前の凱は両親からリーダーシップのある人間になることを願って命名された。無心の一打後には「主将ではないけれど、守備でも打撃でも引っ張っていきたい」。前向きな気持ちも生んだ。

次は4番時代の練習試合で敗れた仙台育英との準々決勝だ。1年生投手に封じられた思いを胸に「悔しかったので、自分の形で良い結果につなげたい」。強豪の東海大相模(神奈川)との練習試合後に、門馬敬司監督(49)から「あの子は良いね」と絶賛された佐藤に、打力と自信が復活してきた。【鎌田直秀】