磐田東は「エースで4番」の伊藤岳斗投手(3年)が、投打で活躍し、チームを初の甲子園へ導く決意だ。

磐田東の伊藤は練習中も手を抜かず、ブルペンでの投球練習やフリー打撃などを全力プレーでこなしていた。「秋と春に負けて責任を感じている。エースと4番を任されているので、自分がやらなきゃという意識で夏に挑戦したい」と表情を引き締めた。

昨年10月、練習中に突然左足の痛みを感じた。病院での診察を受け、左ひざ骨折と診断された。以来、2月後半まで松葉づえ生活を送り、春季大会直前に復帰した。浜松学院との春の地区初戦では、9回に3番手で登板。失策絡みだったが、決勝点を献上した。

大会後は全体練習後、毎日休まずに自主練習。約200メートルのポール間走を最大20往復するなど、冬にできなかった下半身強化を徹底的に行った。その結果、5月下旬の故郷・京都での東山高戦で自己最速の143キロを計測。5回4失点と打ち込まれたが、調子が上向いていることを実感した。

最後の夏に向け「投球では、周囲を信頼して投げたい。打撃では4番なので、チャンスで打ってチームに勢いをつけたい。気持ちで負けないよう、最後は笑って終わりたいですね」と話した。大黒柱としての自覚を持ち、目標の甲子園への覚悟を示した。【河合萌彦】