今夏第5シードの浜松西は、二遊間を組む鈴木翔登遊撃手(3年)と鈴木翔揮二塁手(3年)の「鈴翔」コンビが、堅実な守備でチームを支える。「できて当たり前」と守備に自信を持つチームの中心として、あと1勝となっている同校の夏通算100勝、そして81年以来、38年ぶりの甲子園出場に貢献するつもりだ。

堅い守備を誇る浜松西のセンターラインを固める鈴木翔登と翔揮は、お互いに敬意を抱きながら毎日プレーをしている。

翔揮 翔登と一緒にやっていると楽しいし、教わることも多い。ノック中には、打球への入り方のアドバイスをよくもらいます。

翔登 翔揮はうまくて、今までやってきた中で一番組みやすいです。自分のプレーの幅も広がった気がします。

名前は1文字違いで血液型は同じA型だが、血縁関係はない。小学時代は、別々の野球チームに所属。積志中で同じ学校となったが、翔揮は同校の野球部に所属し、翔登は硬式のクラブチームに所属した。校内でも特に仲が良かったわけではなかったが、互いに「野球が上手だな」と感じていたという。中3で初めて同じクラスとなり、卒業後はともに浜松西へ進学した。

高校では、翔登は1年夏からメンバー入りし、同秋から遊撃のレギュラーとなった。翔揮は2年春に初のメンバー入りも、同夏はベンチ外に終わった。そのため、二遊間を組んだのは昨秋が初めてだったが、すぐに好連係を披露。練習・試合を重ねて実力を伸ばしていき、佐藤光監督(45)から「2人の守備は力強くて頼もしい。チームに欠かせない存在です」と言われるまでに成長した。

シード校として臨む最後の夏。守備力に自信を持つ2人が力強く誓った。

翔揮 西高は打力があるチームですが、守備が第一。来た打球をすべて取って、翔登とアウトの山を築きたい。

翔登 翔揮とは甲子園でも通用するような二遊間になりたい。自分たちの「考える野球」を貫いて優勝したいです。

2人の活躍が、チームに38年ぶりの聖地を引き寄せる。【河合萌彦】

◆鈴木翔登(すずき・しょうと)2001年(平13)4月30日、浜松市生まれ。小3から浜松ジャガーズで野球を始めた。積志中時代には浜松ボーイズに所属。遊撃のレギュラーで3年春に全国大会に出場した。浜松西高では、1年夏からメンバー入り。右投げ右打ち。175センチ、72キロ。血液型A。家族は両親と姉2人。

◆鈴木翔揮(すずき・しょうき)2001年(平13)5月31日、浜松市生まれ。小2から浜松ドジャースで野球を始めた。積志中では野球部に所属。三塁手のレギュラーとして3年夏に県16強入りに貢献した。浜松西高では、2年春に初のメンバー入り。右投げ左打ち。173センチ、70キロ。血液型A。家族は両親と兄。