愛知県が強豪高校を招き、昨秋の県4強と対戦する招待試合は、第1日の第1試合で日大三(西東京)と今春のセンバツ優勝の東邦との好カードとなった。

試合は日大三が今秋ドラフト候補として注目される井上広輝投手(3年)が先発。東邦はセンバツの優勝投手の石川昂弥(3年)が三塁手としてスタメン出場した。

試合は東邦が2回に犠飛で先制。3回には先頭打者の松井涼太中堅手(3年)の三塁打などでつくった1死三塁から、先月から4番打者に抜てきされた吉納翼右翼手(2年)が右前に適時打を放ち、リードを広げた。

これに対し日大三は5回、渡辺凌矢中堅手(3年)の犠飛で1点差。さらに6回、2死一塁から佐藤英雄捕手(3年)、代打塚越楓太外野手(3年)の連続二塁打で2点を奪い、3-2と逆転に成功した。同点に追いつかれた日大三は8回に2死から佐藤が勝ち越しのソロを放ち、接戦に競り勝った。

試合後の小倉全由監督(62)は先発井上に関して「沖縄の遠征でマメをつぶしていた。ようやく少し良くなってきたが、これからでしょう。キレのあるボールもあるが、どうしてもボール球が多くなる。本来は簡単に四球を出すことはないんだけど」と、振り返った。

5回89球を投げ、東邦打線を5安打4四球で2失点にまとめた井上は「四球が多かったです。もう少しストライク先行のピッチングがしたかったです」と言った。

また、センバツでブレークした石川との対戦は3打数ノーヒット。「日本一になった東邦打線の中で、石川選手のことは注目していました。抑えられたことは良かったです」と、この時だけは多少表情を緩めた。

小倉監督は西東京大会開幕までに完投させたい意向を持つが「これから対戦する高校は、どこも完投させてくれる相手じゃない。完投させたいんですけどね」と、実力校との対戦が控える6月のスケジュールを念頭に思案顔だった。

愛知県高校野球招待試合の第1日は、第2試合で日大三-中部大学春日丘。最終日が第1試合で中京大中京-日大三、第2試合で西尾東-日大三の試合が予定されている。