明桜(秋田1位)が8回裏に一挙4点を奪う大逆転劇を演じ、学法石川(福島2位)に4-3で勝利。秋田経法大付時代の05年以来14年ぶりの準決勝進出を決めた。3番手で登板した工藤泰成(たいせい)投手(3年)が7回6安打1失点の好投。8回裏には逆転の2点適時打を放つなど投打で大活躍した。準決勝は明桜対鶴岡東(山形1位)、仙台育英(宮城1位)対弘前学院聖愛(青森2位)の対戦で10日に行われる。

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弘前学院聖愛が成田京平外野手(3年)の9回サヨナラ右前打で、4-3と東北学院(宮城3位)に競り勝った。投手としても先発マウンドに上がり5回3失点(自責2)と粘った成田は「ボール2つくらい外だったが食らいつけた。ピッチングは苦しかったけれど、みんなが助けてくれた。我慢試合に最後まで諦めずに勝てました」と笑顔を見せた。

最後の場面は1死から敬遠気味の満塁策で好機が回ってきた。先発で唯一無安打だった責任感からガチガチ状態。原田一範監督(41)から呼び止められ「前進守備だから転がして間を抜ければ大丈夫」と声をかけられ我に返った。相手守備を三塁から順に顔を見ると緊張の面持ちを感じた。ベンチを見れば笑顔が後押ししてくれた。「自分の世界に入ってしまっていたが、視野が広くなってから打席に入ることが出来た。思い切り振れました」。先発全員安打のアンカーとして試合を決めた。

打線は13-1で5回コールド勝ちした日大山形との2回戦から2戦連続2ケタ安打。桜庭脩永外野手(3年)も2戦連発と絶好調だ。6回から登板したエース番号を背負う左腕・下山祐輝(3年)も4回無安打無失点の好投。お笑い芸人GO!皆川(37)のギャグマネが得意な奈良岡歩太内野手(3年)も伝令などでムードメーカーとなった。

バントミスや失策も全員でカバーしあって得た大きな1勝。昨秋からテーマに掲げてきた「一体感」が聖愛の強みになってきた。【鎌田直秀】