星稜(石川)のエース奥川恭伸投手(3年)が、センバツで完封した履正社(大阪)との再戦で夏に向けたパワーを高めた。9日、金沢市内の星稜高校グラウンドでの練習試合に先発。北信越大会決勝から中4日で「体は少し重い感じがした」としながら最速は149キロ。6回4安打1失点、9三振を奪い、2点のリードを保って後続に譲った。

今夏の甲子園でもV候補になりそうな両校の対決。センバツ同様、履正社のエース清水大成投手(3年)と2カ月半ぶりに投げ合った。収穫の1つは4回に浴びたソロで、奥川は「対応力がセンバツの時よりついていた。パワーアップしていた」と、春に3安打、17奪三振で完封した相手の成長を感じた。加えて「投げ切れたので(自分の)スタミナを感じた。圧力のあるチームとできてプラスになった」と経験値も積んだ。

試合は3-3の9回に内山壮真内野手(3年)の中越えソロでサヨナラ勝ちした。選手への指導を禁止する処分が5日に解けた林和成監督(43)は、この日が復帰後2戦目。控え投手3人も登板させ「選手は個々で良くなっているところもあった。4人の投手でなんとか逃げ切りたい。勝ち切れて良かった」。残り約1カ月と迫った夏本番へ、貴重な試金石とした。【望月千草】