小山の土屋将平監督(22)は、今大会では静岡県内最年少監督とみられる。選手たちとの年齢が近いことを強みに、コミュニケーションを増やし、夏の1勝を目指している。

土屋監督は今春、東京学芸大を卒業し、小山に数学科教諭として赴任した。大学までの選手歴を生かし、野球部長として活動。しかし荻田貴徳・前監督(44)の体調不良に伴い、6月から監督に正式就任した。部の方針「率先躬行(きゅうこう)」(人々に先立って自ら行うこと)に従い、選手自らで考えながら楽しんでプレーできるように努め、育成を続ける。

若年監督の強みは、選手との年齢の近さだ。わずか5歳程度の差。「選手との距離感が近いので、そこを生かしています」。主将の工藤陽輝(はるき)投手(3年)も「親しみやすく、アドバイスももらいやすい」と、歓迎している。

午後7時までの完全下校が義務付けられ、毎日の練習時間は3時間程度。2時間に届かない日もあるが、土屋監督は選手と話し合い、優先すべき練習から消化する。「選手を少人数のグループに分けて、打撃や走る練習を同時進行させるとか、工夫しています」。

5年前に韮山高主将として夏の県大会に出場。しかし開会式翌日にあごを骨折し、1試合の代打出場だけで終わった。選手たちに「夏の大会で全力投球してほしい」という思いは強い。「夏の1勝が目標。試合に向けて、気持ちを高めていこう」。新人監督の訴えは、選手たちの心に響いている。【和田憲明】