第101回全国高等学校野球選手権兵庫大会の4回戦までの組み合わせ抽選会が25日、明石市内で行われた。センバツ4強の明石商は、7月12日の2回戦から登場し三田学園と網干の勝者と戦う。

センバツ後の県大会はまさかの3回戦敗退。その間、ライバルの神戸国際大付が兵庫を制し、近畿大会準優勝と地力を上げた。引き締め直し、激戦地から3季連続聖地を目指す。

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明石商はセンバツで中森俊介投手、来田涼斗外野手の2年生コンビを軸に同校最高の甲子園4強を勝ち取り、全国にその名を広めた。だが直後の県大会は3回戦で同じ公立の須磨翔風に2-3で惜敗。重宮涼主将(3年)は「甲子園で4強に入って、地に足がついていなかった」と自戒を込めて振り返った。

センバツ後、選手は通学中など、学外でも見ず知らずの人やファンに声をかけられることが急増した。「僕らが子どもで、調子に乗ったところが出てしまった」。油断から足もとをすくわれてしまった。その反省を踏まえ、浮かれた空気を一掃して聖地を目指す。

須磨翔風に敗戦後、重宮を先頭に、声出しや走塁など基本の取り組み方から見直した。狭間善徳監督(55)から厳しく指摘された気の緩みはもうない。レギュラー陣は昨秋から固定だったが、春の県大会後に半数以上が入れ替わった。上級生を脅かす1年生も台頭し、チーム内競争が激しさを増して緊張感と活気ある練習を継続している。

兵庫の夏の厳しさは全国屈指だ。今年は過去5番目に多い161チームが参加。春の兵庫を制し、近畿大会で準優勝した神戸国際大付は最大のライバルになりそうだ。重宮は「そこを倒さないと甲子園はない。2年半やってきた野球を全力で出し切りたい」ときっぱり。春の油断を良薬に、3季連続の甲子園を目指す。【望月千草】