室蘭、十勝、空知、旭川、釧根の5地区で代表決定戦が行われ、空知地区は滝川西が滝川工を下し、甲子園に出場した17年以来2年ぶりの北大会出場を決めた。

   ◇   ◇   ◇

2年ぶりの地区突破も、通過点にすぎない。代名詞の全力疾走でスタンドにあいさつに向かう滝川西ナインだが、喜び浮かれる顔はなかった。先制犠飛と2本の適時打で4打点を挙げた4番谷内太郎左翼手(3年)も「北大会にいけるのは良かったけど、自分はまだ球が捉えきれていない」と反省が口をついた。

聖地切符をつかむために、内容にも厳しくなる。4回1死一塁で追加点を狙った4回は、バント失敗とけん制死が重なり無得点。小野寺大樹監督(43)は「北大会は1点で負ける」と気を引き締める。

17年に北大会を制した際はエース鈴木愛斗、攻守の要の堀田将人主将(ともに現北海道ガス)を中心に個の力も充実していたが、現在のチームは「個々の力が(17年と比べ)ない分、チーム力を高めてきた」(谷内)。今春は練習試合に向かうバスの中でエンドランやバントなど個別のプレーに着目した試合目標を設定し、帰りのバスで反省を繰り返してきた。

小野寺監督は「チームの雰囲気が(周囲には)2年前と似ていると言われる。心のコントロールもできるようになった」と成長も感じている。北大会までの残り2週間。王座奪還のために1日もムダにはしない。【浅水友輝】