札幌など7地区で代表決定戦が行われた。空知地区では滝川が岩見沢農を2-0で下し、29年ぶりに地区を突破。1日は札幌、小樽地区で代表決定戦5試合が予定され、南北大会の出場校が出そろう。

   ◇   ◇   ◇

重い扉をこじ開けた。滝川が、3季通じて90年夏以来となる地区突破を果たした。手堅く犠飛でもぎ取った2点を、右腕エース宮内健塁(3年)が9回9安打4奪三振の完封投球で守りきった。男泣きするOBの吉井孝樹部長(45)を横に古川拳成主将(3年)は「実感がないです」と夢心地だ。

冬は、雪降って地を固めた。3年生7人が前チームでもスタメン。一皮むけるため、冬場もグラウンドで練習を行った。膝まである雪をかき、タイヤ引きで地面をならした。足腰を鍛えると同時にノックで実戦感覚を養った。

春は、敗戦という雨降って地が固まった。地区3回戦で滝川西に3-8で敗退。相手より3本多い13安打を放つも、守備の乱れで大量失点した。伝統的に打撃が売りだったが「守れなければ意味がない」と古川主将。この1カ月は指導者2人がかりのノックが1日約1時間半と重点強化した。今夏は2戦1失点のみと成果を見せた。

今大会前には、OBから素振りや投球フォームをチェックする大型の鏡が贈られた。その期待にも、しっかり応えた。前回は初戦敗退だけに「目指すところは上にある。それを超えたい」と古川主将。地区有数の進学校が受験シーズン前に旭川スタルヒンで旋風を起こす。【西塚祐司】