平成元年以来30年ぶりの甲子園を目指す帯広北が、逆転でまずは北大会1勝を手に入れた。1点ビハインドの8回2死二、三塁、3番広井翔太二塁手の打球は、ぐんぐん伸びて中堅の頭を越えた。「打球は見ないで夢中で走った」と二塁へ到達。走者2人が一気に生還する逆転打となった。

十勝地区予選は大ブレーキ。13打数2安打で、安打2本はいずれも内野安打だった。この日も3打席目まで凡退。第4打席で放った今夏初の外野への安打が、値千金の決勝打となった。打席に入る前に田沢圭司監督(40)から「お前の打席でチャンスが来る。振りが大きくなっているから、広井らしくコンパクトに振ってみろ」と助言された。謙虚に短打狙いで振り抜いた結果が長打となり、広井は「気持ち良かった」と笑顔で振り返った。

令和元年での聖地に向け好発進した。同校では13日から3日間予定していた学校祭を1日短縮し、この日は全校応援で野球部をバックアップした。次戦の相手は昨夏王者の旭川大高。広井は「みんなの応援が力になった。次も1戦必勝で臨みたい」と意気込んだ。【永野高輔】