山形工が第8シード長井をシャットアウトし、2年ぶりの3回戦進出を決めた。昨年3月まで監督だった長井・小原宏幸監督(56)に成長した姿を見せた。

山形工が学校創立100年目の甲子園初出場に向けて駒を進めた。2回表、内野手兼任エースの4番・横山知樹、主将の5番・阿部大雅捕手、6番・森谷柊瑛外野手(すべて3年生)の3連打で満塁とし、2死から敵失で2点を挙げて主導権を握った。3回表は2死二、三塁から森谷が走者一掃の右中間三塁打。横山も最終回に2番手救援し、3者凡退で完封リレーを完結させた。2投手をリードした阿部主将は「人間力の大切さを教えてもらった」と1年時の恩師に感謝した。

師弟対決は選手だけではない。昨春まで12年間部長を務め、小原監督と入れ替わりで就任した逸見健太監督(37)にとっても現役時、寒河江工の監督で担任だった恩師。「3年生には意識させないようにした。紙一重の中で力を出し切ってくれた」とたたえた。

投げては2年生右腕・元木悠馬が8回を4安打無失点でゲームメーク。県大会初登板初先発を白星で飾った。夏デビューした次期エース候補は「点を取ってくれたので楽に投げられました。自信になりました」と、頼もしい先輩たちに感謝した。【佐々木雄高】