武修館はエース左腕、千葉大夢(3年)が5安打6奪三振無四球で完封し、2年ぶりの初戦突破を果たした。

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泰然自若の投球で武修館のエース千葉が完封勝利を飾った。130キロ台の直球とスローカーブ、スライダーを低めに集め、5安打無四球と完ぺきな投球。最速145キロで注目される網走南ケ丘の左腕、石沢から打線が奪った3点を守りきった。「後半になるにつれて良くなるいつもの投球だった。(石沢を)全く意識しなかった。相手とかは関係なく、自分が抑えるだけです」と、背番号1はさらりと言ってのけた。

ときに非難を浴びる?天真らんまんな性格で投手として成長してきた。2回に左前への先制適時打で擁護した捕手の舘岡には「普段はひねくれていて、余計なひと言を言う」と言われるが、自分の心に正直に好きなものを求める性格の裏返しだ。グラブを高く上げ、170センチの体を大きく使う投球は「かっこいいので…」と楽天松井裕樹(24)を参考にした。まねることから自分の投球を磨いていった。

一戦必勝で目指すは5年ぶりの甲子園。試合終了後の整列では投げ合った石沢から「絶対に甲子園に行けよ」と言葉をかけられた。旭川明成との準々決勝に向け、「やることは変わらない。守りからリズムを作って攻撃につなげたい」。夏1勝で終わるつもりはない。【浅水友輝】