<高校野球大阪大会:八尾翠翔14-4柏原東>◇14日◇2回戦◇大阪シティ信金スタジアム

柏原東(大阪)の単独チームで出場する最後の夏は、4-14の6回コールドで終わった。部員わずか8人。3年生は3人、2年生5人、そしてこの試合では助っ人3人が加わっていた。

学校にはもう1年生の姿はない。対戦相手となった八尾翠翔と機能統合が決まり、21年の3月末で閉校することが決まっている。その状況下で統合する学校同士の対戦が実現。田中正孝監督(59)は「縁を感じるところはありましたね」と振り返った。

当初チームはバラバラだったという。主将の渡辺聡楽(そら)内野手(3年)は「選手間のいざこざもあった」と振り返る。だが、今春以降は3年生がリーダーシップを取り、2年生は島木雷(らい)捕手を中心に自発的に練習を提案。成長を遂げるきっかけとなった。

4回、9点ビハインドでも4得点し、粘った。福本大気投手(3年)は「応援してくれている人がいたので4点につながった」と感謝の思いを口にした。上迫大祐外野手(3年)も、凡退の打席でも「食らいついていけた」と戦う姿勢は崩さなかった。田中監督は試合後のミーティングでナインに「キャプテンを中心にあきらめる雰囲気はまったくなかった。その気持ちは柏原(東)の精神」とたたえた。マネジャーの熊本葉月さん(3年)も「今までで一番良かった」と言い切った。

残された現2年生は連合チームでの体制となり、単独チームでの大会出場はない。渡辺主将は「悔いなく最後までやり遂げてほしい」と後輩への思いを言葉にした。【林亮佑】