シード校の矢板中央が苦手の初回を攻略し、14安打を放ち12得点。初戦を難なく切り抜けた。

「初回に四球などいらない失点をしてしまう」。奥澤将司監督(40)は初回を一番の課題に挙げていた。「打たれて点を取られるならいいけど、四球はリズムが悪くなり、切り替えも難しくなる」。最近の試合では初回に大量失点し、なかなか立て直すことができない状況が続いた。

チームは春大会後“1イニング限定紅白戦”に取り組んだ。「初回の入り方がいかに大切か。A対Bで、チームとして行います」。先発メンバーだけでなく、ベンチメンバーにも初回の大切さをたたき込んだ。

この日の試合は、公式戦初登板初先発の滝田圭城投手(3年)が2回2失点とまずまずの滑り出し。滝田は「初めての試合で緊張しまくってしまいました。ストレートの伸びもなく悔しい結果になりました」と反省したが、試合のリズムは崩さなかった。

そのおかげか打線は、1イニング限定紅白戦の成果を最大限に出した。初回4安打2得点。監督は「バントを含め、攻めた野球ができた」と結果にうなずいた。攻撃力には自信がある。「守備があってからの攻撃」。監督が求める野球に1歩近づいた。次戦は17日に今市と戦う。【佐藤勝亮】