長崎大会は、2年連続3度目となる夏の甲子園出場を目指すシード創成館が、9-1の7回コールドで上五島を下し好発進した。

194センチ、82キロのスーパールーキー左腕、鴨打(かもうち)瑛二投手(1年)が、夏デビューを飾った。7-0で迎えた4回表から2番手で登板。2イニングを無安打無失点、2奪三振と好投し勝利に貢献した。

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スーパールーキー鴨打が大器の片りんをのぞかせた。「体重移動などをまねています」とお手本にするドジャースのエース左腕カーショーばりに、194センチの長身から豪快に投げ込んだ。「最速は135キロぐらい」というが、制球がよく、角度も十分の直球を主体に翻弄(ほんろう)。「三振を取るときに使う」チェンジアップやカーブも交えて力投した。

夏の前哨戦となる6月のNHK杯準決勝、九州文化学園戦に公式戦初先発し4回1失点の好投で勝利に貢献した。夏は背番号「18」ながら、08年に九州三菱自動車監督から転身した稙田龍生監督(55)が「いい素材で伸びしろしかない」と絶賛する逸材。絶対的なエースがいない中、大阪の強豪私学からも中学時にマークされていた鴨打に「上からの角度があり制球もいいので自滅することがなく、フィールディングもいい。夏は中心になるかもしれない。先発もありえる」と期待を寄せた。

佐賀・龍谷で控え投手としてセンバツ出場した父武士さんの影響で野球を始めた。本格的に小1から投手として軟式野球を始め、小6で172センチの大型左腕として注目されていたという。中学でも全国舞台を経験。高校を選ぶ際、複数の選択肢があった。だが「ずっと来てくださり、そこが一番の決め手。稙田監督と誕生日が同じで運命を感じました」と振り返る。4年に1度の珍しい「うるう年」生まれの縁と監督の熱意に創成館進学を決意した。

そんな熱血監督と目指すは、もちろん大会連覇で「自分で勝たせる投手になれるようやっていきたいです」。末恐ろしい大型左腕が現れた。【菊川光一】

◆鴨打瑛二(かもうち・えいじ)2004年(平16)2月29日、佐賀・小城市生まれ。小1で野球を始め、中学は黄城ボーイズで投手。中1で全国大会に出場。6月のNHK杯で高校公式戦デビュー。変化球はカーブ、チェンジアップ、フォーク。家族は両親と兄、姉。194センチ、82キロ。左投げ左打ち。