常総学院の夏が終わった。「甲子園優勝も狙える最強世代」との呼び声高かった黄金世代の敗退にスタンドはざわめいた。

3回菊地壮太捕手(3年)の左前適時打で同点に追いつくと、続く大高優成外野手(3年)の右越え適時二塁打で勝ち越した。5回には、“常総のバレンティン”との異名を持つプロ注目の菊田拡和外野手(3年)が、高校通算58号の左越え本塁打でリードを広げた。菊田は「ホームランはスライダー」と振り返った。

投げては4回から登板した最速150キロ右腕の菊地竜雅投手(2年)が6イニングで5失点。「先輩達の夢を壊してしまって申し訳ないです。5点のプレゼントを守れないなんて…」と言葉を絞り出した。

同高は、春のセンバツ出場が懸かった昨秋の関東大会、春の県大会で最終回に大逆転負け。この日もその悪夢を払拭(ふっしょく)できなかった。

「やれる練習は全てやってきた。悔いはありません」。甲子園制覇だけを夢見てきた関東の雄が涙とともに球場を後にした。【倉田祥太】