石岡一は延長10回にサヨナラ負けを喫した。21世紀枠で今春センバツに出場したが、春夏連続出場はかなわなかった。

2-2の2死三塁、岩本大地投手(3年)が霞ケ浦・小田倉に投じた4球目のスライダーがワンバウンドの暴投となった。捕手の飯塚は、後方に転がった球をすぐに追いかけ、本塁ベースカバーの岩本に送球。霞ケ浦の三走は足から滑り込んだ。アウトか、セーフか、非常に微妙なタイミングだったが、球審の腕は水平に開いた。歓喜に沸く霞ケ浦ナイン。その横で、岩本と飯塚はぼうぜんとするしかなかった。

岩本は1-1の5回2死二塁から適時三塁打を打たれ、一時勝ち越しを許したが、後続は断った。5回から9回まで5イニング連続で三塁に走者を抱えたが、本塁を踏ませない。驚異的な粘りを見せたが、最後の最後、10回に三塁走者をかえしてしまった。

試合後のベンチ裏。方々でおえつが漏れた。川井政平監督(44)は「よく頑張りましたけど、もう少し違う終わり方をさせてあげたかった」と声を震わせた。岩本については「精いっぱい、集中して、バックを信じて投げてくれた。監督含め、報いてあげられなかった。申し訳ない」と話した。

時間がたち、落ち着いた岩本は「(10回は)アウトだと思いましたが、審判の判定なので何とも言えません。プレーの瞬間は悔しさがありましたが、終わってみれば悔いはないです」と高校野球生活を振り返った。

最速147キロ右腕はプロも注目。この日も、3球団のスカウトが視察した。進路については「これから相談します」としながらも、「夢はプロ野球選手。(進路が)どこかは分かりませんが、ぶれずにやっていきたいです」と、上のステージに進む決意を口にした。