全国高校野球選手権新潟大会で、2年ぶり10度目の優勝を決めた日本文理ナインが決勝から一夜明けた25日、さっそく練習を行い、甲子園に向けて始動した。

練習前には同校で開かれた壮行会に出席。全校生徒約890人の応援に感謝し、甲子園での活躍を誓った。26日は甲子園でのベンチ入りメンバー18人が発表される。

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歓喜から一夜が明け、日本文理ナインの気持ちはすぐに切り替わっていた。この日、決勝のベンチ入りメンバーは壮行会後の午前9時30分から約1時間、ランニング、ストレッチ、キャッチボールなどの軽めの内容で汗を流した。

ただ、気持ちに軽さはない。「集中していくぞ!」。長坂陽主将(3年)のゲキに応え、ナインは大きな声を出しながら取り組んだ。「ほっとした、うれしい、と思うのは昨日(24日)まで。今日から甲子園に向けて頑張る」と長坂主将は気を引き締める。24日夜、寮で就寝前の点呼をする時、寮生でその意思を確認。この日の練習時には全員に浸透していた。

周囲から多くの祝福が寄せられた。長坂主将のLINE(ライン)には100通ほどのメッセージが入っていた。期待の大きさを実感。それだけに「甲子園でもやらなければ」と気持ちは引き締まった。エースの南隼人投手(3年)は「昨夜はぐっすり眠れた」。優勝の興奮はすでに冷めた。「甲子園では無駄な四球を出さないように。県大会では、まだそういうところがあった」と、すでに大舞台に向けた課題を意識している。

夏甲子園過去9度の出場で通算勝利数は9。初戦突破は区切りの勝利になる。そして掲げる目標は春夏通じて県勢初の全国制覇。隙を見せる余裕はない。鈴木崇監督(38)は「まずコンディションを整えて、甲子園に入りたい」と話す。ナインの心の準備ができていることは分かっている。「甲子園入りまで母校のグラウンドでの練習は1分1秒を大切にしたい」。長坂主将は最後まで気力、体力を研ぎ、聖地に向かうことを決意した。【斎藤慎一郎】