大阪桐蔭の夏の甲子園連覇への挑戦が終わった。大阪大会準々決勝で金光大阪に延長14回タイブレークの末、3-4で敗れた。春夏ともに甲子園を逃すのは11年以来8年ぶり。京都大会では龍谷大平安が、奈良大会で天理が、和歌山大会では市和歌山が敗退するなど強豪が姿を消すことになった。

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波乱の夏に大阪桐蔭も散った。公式戦初のタイブレーク。延長14回、2点を勝ち越した直後、無死満塁から2者連続の押し出し四死球で同点に。1死満塁となり、相手打者のスクイズを警戒し1球目を外したが、2球目に決勝スクイズを決められた。西谷浩一監督(49)は「(選手の)頑張りを勝ちに導いてやれず申し訳なく思っています。優勝旗をみんなで返しに行くことが目標でした。もう少しこの子たちにいろいろ教えて、喜ばせてあげたかったけど、残念です」。夏の甲子園連覇への挑戦が終わり、うつむいた。

1点リードの9回、1死から先発の中田惟斗投手(3年)が連打を浴び、延長戦にもつれこんだ。14回に許した決勝点は中田の200球目だった。力投した右腕は「最後は自分の(力を出した)ボールで負けた。ベストボールだった」と悔しさをかみしめた。

「悔しさしか知らない世代」。中野波来主将(3年)は新チームのことをそう表現していた。昨夏は史上初となる2度目の春夏連覇を達成。後を追った新チームの船出は厳しかった。重圧の中、秋の府大会では決勝で履正社に、近畿大会では準々決勝で智弁和歌山に敗れ、センバツも落選。春の府予選は5回戦で敗退し「悔しさの維持」をテーマに掲げ、前を向いてきた。何度となく悔しさを味わったからこそ、1戦にかける思いは強かった。中野は「1度も大阪を勝ちきることが出来なかった。悔しさを知る2年生には頑張ってもらいたい」。言葉にすればするほど目が赤くにじんだ。

大阪桐蔭が春夏ともに甲子園を逃すのは8年ぶり。捲土(けんど)重来を期し、再び歩み始める。【望月千草】

▽中日根尾 9回ぐらいから見ていました。後輩たちには悔しさを受け継いで頑張ってもらいたいです。