阪神江越の遠縁に当たる海星の江越永輝(えいき)投手(3年)が、ロングリリーフで長崎日大を振り切り、2年連続の決勝にコマを進めた。1-1のまま延長12回で決着がつかずに、タイブレークの13回に突入。主将である坂本芽玖理内野手(3年)の適時打で挙げた1点を、江越がその裏、クリーンアップからの相手打線を3人で仕留めて逃げ切った。「みんなが声をかけてくれて頑張れた。ベンチもスタンドのみなさんの支えがあって投げ切れました」。176センチ、70キロと細身の体からは想像できないスタミナ。3回途中から最後まで10回2/3を3安打無失点。127球の熱投で、チームに劇的勝利をもたらした。

阪神江越と同じく南島原市出身。実家は100メートルくらいしか離れてなく「小さいころから一緒に遊んでくれました」という“近所の兄ちゃん”がプロに入り、その後を追うように自分も海星を選んだ。今でもたまに近所の集まりなどで会うこともあるという。

江越は「こんな長いイニングを投げたのは初めて。自分でも別人でした」と涼しい顔で振り返った。決勝は新チームとなって初対決となる鎮西学院。昨年敗れた決勝の舞台は江越がリベンジしてみせる。【浦田由紀夫】