秋田中央の野呂田漸捕手(1年)が、新チームにつながる甲子園デビューを果たした。

立命館宇治(京都)に0-1で敗れたが、守備でエース松平涼平(3年)を盛り上げ、打撃でも9回に左前打。「大舞台でも緊張なくプレーできた。最後の打席も会心の当たりではなかったけれど、どんな形でもつなごうと思ったので、1本打てて良かった」。1点の重みも学び、大きな収穫を得た。

入学直後からマスクをかぶった重圧を取り除いてくれた松平を懸命に支えた。「常にコミュニケーションを取ってくれて、頼りがいのある先輩です」。1回裏にいきなり四球を出せば、すぐにマウンドに駆け寄った。緊張を和らげるだけでなく、バント守備の確認をするなど冷静。直後に二盗を刺し、リズムを立て直した。5回にも相手バントの小飛球を落ち着いて処理し、二塁封殺。8回中、7度の先頭打者を出しても、最少失点に抑えた。

18人中、7人の下級生が聖地を体感した。野呂田は「三振も安打もすごい歓声が上がる独特の雰囲気を1年生から経験できたことは大きい。また甲子園に来て勝ちたい。先輩に恩返しするにはそれしかない」。聖地1勝の思いは、さらに強まった。【鎌田直秀】