<全国高校野球選手権:宇部鴻城7-3宇和島東>◇12日◇2回戦

1球が、1つのプレーが勝負を分ける。令和となって最初の夏。熱い戦いのワンシーンを「ヨネちゃんの『プレー』バック」と題して切り取った。

   ◇   ◇   ◇

投手が振り向きざまに投げた二塁けん制だった。7回無死一、二塁。宇部鴻城の古川胤志遊撃手(3年)が、走者の後ろから絶妙のタイミングで塁に入った。ドンピシャのピックオフプレー。「振り向いたらショートに入られていました」。宇和島東の走者、舩田清志投手(2年)が嘆いた。

古川から投手の岡田佑斗(3年)にサインが出た。「捕手からも出ますが、あの時はこっちからです。走者が投手だったので(けん制の)意識はそんなにないかな、と思った。三塁に重心をかけたときが狙いです」。古川が説明した。

投内連係を行う際にはこのプレーを組み入れ、練習を重ねてきた。「2年の秋からコンビでやって来ているんで。直感のところもあるんですけど、ズレはほとんどないです」。誇らしげに話した。

7回のピンチを巧みなけん制で0に抑え、7-3で逃げ切った。古川が言う。「1年の秋からショートです。周りを見て、相手のスキを突く攻める守備ができました。楽しいです」。公式戦初のピックオフプレー成功だった。【米谷輝昭】