智弁和歌山が明徳義塾との甲子園3度目の対決で、初勝利を飾った。7回には3本の本塁打を放ち、08年に同校が駒大岩見沢戦で記録した1イニング3本の大会最多本塁打記録に並んだ。

7回1死一、三塁で主将の1番黒川史陽内野手(3年)がタイムリー内野安打で1ー1の同点に。さらに、1死一、二塁から2番細川凌平外野手(2年)が右翼へ3ラン本塁打を放つと、2死一塁から、5番根来塁(ねごろ・るい)外野手(3年)が再び右翼へ2ラン、6番東妻純平捕手(3年)がソロ本塁打を放ち、この回一挙7点を挙げ試合を決めた。

細川は打った瞬間に「いけ!」と叫んだ。この日は右翼方向に強い風が吹いていた。飛んだ打球は風に乗ってスタンドに突き刺さった。「球場が味方してくれた。神様が見てくれていた」。刺激を受けたプレーがあった。7回一死無走者から、8番池田陽佑投手(3年)が中前打を放つと、気迫の走塁で二塁まで進塁した。「しびれた。僕もやらないといけないと思った」。

明徳義塾とは過去2回甲子園で対戦したが、いずれも敗北していた。3度目での初勝利。さらに、大会最多記録に並ぶ1イニング3本の本塁打を記録したが、細川は「12人の3年生との夏は1番長い夏にしたい。日本一しかない」と気持ちを切り替え、3回戦の星稜戦にのぞむ。【南谷竜則】