【機張(キジャン・韓国) 4日】いよいよ「ササキ」の世界デビューだ。U18ワールドカップ(W杯)に出場中の大船渡・佐々木朗希投手(3年)が、5日のスーパーラウンド初戦・カナダ戦への先発が有力なことが4日、分かった。

右手中指にできた血マメはほぼ完治し、ドクターのGOサインも出た。甲子園の疲労を回復していた星稜・奥川恭伸投手(3年)もブルペン待機し、日本初の世界一へと一気に弾みをつける。

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1次ラウンド1位通過が決まり、佐々木は「投手が2人いないので大変だったと思う。その中でつないでくれた。結果を残して、恩を返したい」と感謝を口にした。血マメがあった右手中指は「少しガサガサします」とするものの、登板できるかという質問に「はい」とはっきり答えた。

1敗が致命的になるスーパーラウンド。佐々木で勢いをつける。心身ともに万全で試合に入れるよう、先発マウンドが有力だ。3日のパナマ戦でも試合中、2度ブルペン入り。「時間もないので、しっかり調子を上げていけるように」と熱気あふれる21球の本格投球だった。相手研究はまだだが、幸い、未登板の佐々木のデータは相手にもない。

熱視線を浴びるマウンドになる。各国の「金の卵」を目当てに、W杯会場には100人近いメジャー球団関係者が集結。あるスカウトは「もちろんササキは注目の投手。投げる試合はほとんどのスカウトが視察するのでは」と明かす。佐々木は国内プロ志望だが、世界最高峰の「眼」にさらされることは、貴重な経験となる。大船渡・国保陽平監督(32)ら関係者も4日に韓国入り。これまでの努力の集大成を見せるには、最高の舞台が整っている。

4日はノースロー調整。2日連続でブルペン入りしていたこともあり、回復に励んだ。宿泊先では韓国料理が多く、不慣れさに体重を減らす選手も多い。佐々木も「1キロくらい減りました」と明かす。スーパーラウンド前夜はチーム全員で決起集会。地元民にも人気の焼き肉店でエネルギーを注入し、一体感も深めた。

ダブルエースの奥川はリリーフ待機が予想され、佐々木-奥川の豪華リレーになる可能性もある。現時点では6日の韓国戦は宮城、7日オーストラリア戦は西の先発が有力だ。全員がそろい、いよいよJAPANのフルパワーを示すとき。「必ず、初の世界一になれるよう頑張りたい」と佐々木。160キロに迫る剛速球で、世界を震えさせる。