今夏の甲子園3回戦で延長14回の死闘を演じた両校の再戦が実現した。この日は両校監督の同意の下、木製バットを使用しての対戦となった。

先発した今秋ドラフト最上位候補の星稜・奥川恭伸投手(3年)は、5日のU18W杯カナダ戦以来約3週間ぶりの実戦マウンド。3回2/3を投げ、6安打2失点で降板。「練習不足でした」と苦笑いを浮かべた。

2回表、先頭打者を得意のスライダーで空振り三振を奪うと、6番硲祐二郎外野手(3年)への6球目にはファウルにされたが、この日最速となる150キロをマーク。149キロ直球で2者連続空振り三振に打ち取ると、外野までびっしり詰めかけた大観衆が沸いた。

3回、1死一、二塁から3番黒川史陽内野手(3年)の右前適時打などで2点を奪われ、4回2死から9番入江諒内野手(3年)に内野安打を許したところで降板。本調子ではないながらも、スライダーのキレは健在で5奪三振。この日が高校最後のマウンドとなり「楽しかったです。星稜高校のチームとしての公式戦で、本当に全部終わったんだと実感しました」と穏やかに、時折笑みを浮かべて振り返った。

この日、水戸の街は朝から「奥川フィーバー」に沸いていた。収容約2万人の会場は、午前9時13分に入場制限のアナウンスが流れ、同11時の時点で約1万4000人が来場。試合開始前にはチケット売り場に長蛇の列ができていた。国体事務局員によると、同7時45分開門の予定を2時間前倒し、5時45分に開門。開門の時点で約3500人が列をつくっており、最初に並んだ人は前日28日の午前11時から待機していたという。国体事務局員は「想定以上の数が並ばれてました」と朝から対応に終われていた。