東北高校球界の2大エースが9日、今秋の東都大学1部リーグを制した中大に合格した。

花巻東(岩手)の最速151キロ右腕・西舘勇陽(3年)は、ロッテ1位指名の大船渡(岩手)佐々木朗希投手より先に「新怪物候補」と注目を浴びた逸材。内野手としても活躍した仙台育英(宮城)の二刀流右腕・大栄陽斗(3年)もスライダーを武器に、大学では投手1本で勝負する決意を固めた。さらなる成長曲線を描き、4年後のプロ入りにも挑む。また、福島商・渡辺直紀内野手(3年)も合格。花巻東・中森至投手兼外野手(3年)、山崎大翔捕手(3年)は準硬式野球部に入部予定だ。

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西舘が「世代NO・1エース」へ突き進む! 同じ岩手県出身でドラフト1位指名された陸前高田市出身のロッテ佐々木、花巻市出身で青森山田の巨人堀田賢慎に対し「2人を超えられるように頑張りたい。負けられない」。色紙に「4年後プロ ドラフト1位」と記し、闘志を燃やした。

1年秋からベンチ入りして東北大会準優勝で2年春のセンバツ切符獲得。2年夏、今夏を含め、3度の甲子園マウンドを経験。だが、腰痛の影響などもあって本来の投球が出来なかった悔しさも糧にする。

能力を最大限に引き出すための投球フォームを、佐々木洋監督(44)と二人三脚で培ってきた。厳しい場面での登板も重ね、精神面の成長も養われてきた。「大学では、もっともっと制球力が大事になってくる。この冬の期間で2回りくらい体も大きくしたい」。走り込みも増やして下半身を安定させ、同時に柔軟性も兼ね備えることが当面の課題。「大学1年の春から活躍したいですし、監督さんやお世話になった方に良い報告をして恩返ししたい」と感謝の気持ちを結果で示すつもりだ。

進学を決断した理由はもう1つ。「学力も高い中大で、勉強も含めて文武両道を貫きたい。プロ野球選手になれたとしても将来のために」。まずは今冬、校内学力テストでクラス1位を初達成。4年後、頭も右腕も「ドラ1」評価を勝ち取る。

◆西舘勇陽(にしだて・ゆうひ)2002年(平14)3月11日、岩手・一戸町生まれ。一戸南小3年から一戸スポーツ少年団で野球を始め、一戸中軟式野球部では全国大会出場。花巻東では1年夏からベンチ入り。184センチ、80キロ。右投げ右打ち。家族は両親と兄2人。