南北海道“1位”は譲らない。北海道高野連が12日、独自開催の「夏季北海道高等学校野球大会」の日程を発表した。地区大会は7月11日の函館、室蘭地区を皮切りにスタート。南北海道大会(札幌円山)は8月3日から、北北海道大会(旭川スタルヒン)は同5日から開催され、いずれも各地区代表16校で争われる。昨秋全道決勝で白樺学園に敗れた札幌日大は、南大会であと1歩届かなかった頂点を狙う。

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目標が定まった。札幌日大は12日、同校グラウンドで約2時間の練習。北海道独自大会の日程も定まり、一気に気持ちも上がってきた。札幌地区は7月6日に抽選を行い、18日に開幕する。加藤愛稀主将(3年)は「狙うのは、もちろん南北海道優勝。秋の無念を晴らし、最後まで勝って終わろうと、チーム全員に伝えた」と意気込んだ。

18年ぶりの秋全道制覇を逃した悔しさは、忘れない。白樺学園との決勝は、両チーム計27安打の打ち合いの末、8-12で敗れた。5回まで毎回安打毎回得点も、勝利につなげることはできなかった。加藤は「終盤に離されたときに気持ちを修正できなかった。チームとしてどんな状況からでも盛り返す力を、出していきたい」と前を向いた。

三塁手兼務の右腕、明田圭喬(3年)も、雪辱の思いは強い。地区大会から全道準決勝まで27イニング連続無失点も、決勝は与四球8で5回途中降板。再登板した8回にも3失点した。全体練習自粛で帰省していた期間は中学時代、空知滝川リトルシニアでチームメートだった白樺学園の業天汰成主将(3年)宍倉隆太三塁手(2年)と自主トレを続けた。8日に全体練習を開始したばかりだが「ライバルと一緒にやってきたのもあり、高校生活で一番体が動く」と手応えを口にした。

20日には札幌光星と最初の練習試合を予定している。加藤は「大会まで試合ができる機会は少ないが、その中で最大限のパフォーマンスを引き出せるよう集中して取り組みたい」。残された時間を有効に使い、甲子園以上に“熱い”夏にする。【永野高輔】