福岡県高野連は12日、福岡市内で常任理事会を開き、独自の代替大会を断念する方針を一転し、開催することを決めた。5月25日に全国で唯一、開催断念を発表したがその後、国や県が開催を後押し。球児を取り巻く大きな環境変化に伴い、方針転換に至った。歓迎の声が多い一方で、引退した選手もおり、高野連はドタバタを謝罪。試合は7月18日から8月上旬の土日祝日を軸に、4地区に分けて、原則無観客で実施する。

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監督有志で「福岡地区高校野球交流戦」の開催に動いていた福岡大大濠・八木啓伸監督(42)と、筑陽学園・江口祐司監督(57)は急転の代替大会開催を歓迎した。

八木監督は「大変喜ばしいこと。生徒たちにとっても、公式大会があるので、喜んでいると思います」と選手たちの思いを代弁。江口監督も「(開催断念が)決まった後、土田会長と大会について話をさせてもらっていたので、大変うれしく思います。現場を預かる者にとっては、子どもたちが思いきりやれる環境でやらせてあげたいのが一番」と喜んだ。

代替大会の開催断念が発表された際、江口監督は「3年生にできることはないかと監督数人で集まり、3年生を制服で終わらせるのではなく、ユニホームで終わらせてやりたいという意見がまとまった」と必死だった。監督も審判を務める覚悟だったという交流戦は中止の見込みとなったが、熱い情熱が実った。