函館大有斗の右腕エース工藤雅史(3年)が被安打8、13三振を奪う好投で、今大会初の完封勝利を挙げた。

130キロ台前半の直球に変化球をまじえ、1回2死から3回まで7者連続三振。自己最多の三振数にも「球質が良くない。たまたま変化球がゾーンにいっただけ。周りに助けられて勝てた」と謙虚に話した。

昨秋、地区2回戦の知内戦で延長10回を投げ敗戦。以降、元阪神投手の古溝克之監督(56)のアドバイスを受けフォーム修正を試みた。インステップ気味だった左足の出し方をなおし、左腕の伸ばしも顔より上に上がらないよう調整した。さらに同監督から「打者より優位な気持ちになって投げるように」とメンタル面のメスも入り、進化した。

昨秋就任した古溝監督は「工藤は何とか抑えてくれた。まず1勝できてうれしい」。春夏甲子園13回出場の古豪が、一皮むけたエースを軸に、南大会を狙う。

▽函館大有斗・本田瑠惟主将(3年)(エース工藤雅を好リード)「真っすぐが序盤はばらついていたが、終盤は少しずつ修正してくれた」

▽檜山北・光銭太陽投手(3年)(8回4失点と粘投し打撃でも4打数2安打)「すごく体が動いていた。高校で最高の投球。強い有斗相手でも、ずっと投げられそうな気がした」

▽檜山北・内海裕一監督(50)「光銭はよく4点に抑えた。相手より多く(8安打)打っていたし、適時打が出ていたら。でも、いい試合。昨秋以降に入った3年生も頑張ってくれた」