旭川地区は春夏5度甲子園出場の旭川実が旭川高専を8-0の7回コールドで下し、富良野との代表決定戦に駒を進めた。右肘疲労骨折から1年ぶりに復活したエース右腕、笠間稜世(3年)が先発して1回を投げ2奪三振無失点。「久々のマウンドですごく楽しみだった。しっかり後ろにつなげられた」と納得顔だ。

エース番号を背負って臨んだ昨夏は旭川明成との地区2回戦で右肘を故障して途中降板。全治5カ月の診断で秋はスタンド観戦。「はがゆく、悔しかった」。その経験をバネに、リハビリ期間も1人黙々と上半身のウエートに取り組んだ。投球練習再開後にはコロナ禍で大会開催も不透明に。前主将を含む3年生3人が退部したが「プロになる目標のためには練習し続けることしかない」。目標はぶれることなく、大会前の練習試合では直球の最速は145キロを計測。成果を披露する夏が来た。

5投手による継投を前提にして上がった388日ぶりの公式戦マウンド。1イニングのみの投球にも「前より体全体を使えて投げられた。でもまだ85点」。最高の投球を見せるまで、帰ってきた背番号1は右腕を振り続ける。【浅水友輝】