今夏限りの休部が決まっている共生(岡山)が笠岡商に競り勝ち、初戦を突破した。3番中堅の蘇翊(スー・イー)は2本の適時打。4回1死二塁の守りでは中堅へのライナーをダイビングキャッチし、二塁走者は戻れず併殺に。「一生懸命捕りにいった。勝手に体が反応した」と胸を張った。

01年創部。元オリックス伊原正樹、元ソフトバンク李杜軒、西武呉念庭らプロ野球選手を輩出してきたが、18年夏の大会後に森下雄一監督(57)が辞意を伝えたことを発端に、19年度からの部員募集を停止。多い時期は67人いた部員も、3年生16人だけとなった。

岡山県の新見市にあり、国際交流が盛んで、甲子園や日本のプロ野球を夢見て台湾から来たこの学年の留学生は5人。だが1人は家族の不幸で3月に台湾へ戻った。再来日できず、残り4人がその思いも背負う。森下監督は「最後になるのは仕方ないが、大会ができることに喜びを感じる」と独自大会開催に感謝。共生最後の夏はまだ終わらない。