高崎健康福祉大高崎のプロ注目143キロ左腕・下慎之介投手(3年)が投打で存在感を示し、好投手同士の投げ合いを制した。試合にはプロ10球団16人のスカウトが視察に訪れた。

1回表は制球が定まらず、1死一、二塁から中前打で先制点を許した。「桐生球場の傾斜が急なマウンドに慣れなかった。点を取られてかなり焦りました」と振り返った。2回以降は修正し、2つの安打しか許さなかった。「徐々にどの位置でリリースすれば良いボールが行くのか感覚的に分かってきた。それで乗っていけた」と話した。

最速は142キロをマークした。楽天の愛敬尚史スカウトマネジャーは「投げっぷりがいい。馬力がある。左腕でこれだけ投げられるというのは将来楽しみ」と潜在能力の高さを評価した。

バットでも見せた。1点を追う7回裏、1死から3連打で同点とし、なおも1死一、二塁で下が右中間に2点適時二塁打を放った。自らのバットで勝利へとけん引した。下はそのまま代走と交代しお役御免。7回を投げ、失点1被安打4でマウンドを降りた。試合後は「まずは1つ勝ってよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。【小早川宗一郎】