昨夏の甲子園優勝校・履正社が7回コールド勝ちで4回戦に進出した。プロ注目の3番小深田大地三塁手(3年)、4番関本勇輔捕手(3年)が適時打を放つなど危なげない戦いだったが、岡田龍生監督(59)の採点は辛口だった。

甲子園出場だけでなく、日程消化の関係で決勝戦が消え、準決勝で大会は終了する。テーマ設定の難しい中、小深田は1打数1安打、1犠飛、2四球の2打点で全4打席ノーミスだった。関本は父親の元阪神関本賢太郎氏(41)がスタンドで見守る前で、4打席目に適時二塁打を放った。

それでも、岡田監督はあえて苦言を呈する。

「小深田は1球で仕留めないと。関本はあんなところでタイムリーはいらんから、もっと早い打席で結果を、ね。プロを目指す、上のステージを狙う子には『就活のつもりでやれ』と言うてるんですがね」

小深田は4打席目、3ボール・ノーストライクから4球目の直球をファウル。その後に犠飛を放った。関本の適時打は8点目。1、3、4回の3打席は走者を置いて凡退した。

「上のステージに行けば、甘い球は何球もない。集中力が大事。(ヤクルトの)山田(哲人)も(阪神の)井上(広大)も仕留めてきましたから」という指揮官の期待に応えているとは、まだまだ言えない。

小深田は「チームも、自分もふがいない。ウチの目標は『全試合、圧倒的にコールドで勝つ』ですから」。主将の関本も「そうですね。(安打を打つのは)あそこ(4打席目)じゃないです」と反省する。

大阪一は手にできないが、できれば大阪桐蔭と雌雄を決し、無敗で今大会を終える。そして、甲子園交流戦となる星稜(石川)戦へ。履正社は普通のコールド勝ちで、満足する気配はない。