沼津市の加藤学園高では12日、甲子園交流試合のパブリックビューイングを行い、聖地での1勝に歓喜した。応援団、チアリーダー部、吹奏楽部に加え、有志の3年生約50人が参加。総勢約100人が集まった。

声を出しての応援は一切禁止。一定の間隔を空け、新型コロナウイルスの感染予防に努めながら熱戦を見守った。制限付きでの観戦となったが、選手たちの一挙手一投足にメガホンをたたき、甲子園球場へエールを送った。チアリーダー部の勝又実悠(みゆう)部長(3年)は「選手たちはキラキラしていた。今までで最も楽しく応援できました」と白い歯を見せた。

応援団の大橋渉(あゆむ)団長(3年)は、険しい表情を崩さず試合を見守ったが、勝利の瞬間は思わず笑みがこぼれた。「感情を出さないのが伝統ですが、自然と笑ってました。100点満点の応援ができました」と胸を張った。

松商学園(長野)で甲子園優勝経験のある高野百介(ももすけ)さんを父に持ち、加藤学園野球部の創設に尽力した加藤瑠美子校長(73)は「本当によく頑張りました。子どもたちにチャンスを与えていただき、ありがたいです」とうれし涙をぬぐった。【古地真隆】